日本の残業は間違ってる

今日はこんな相談がありました
今まで残業代を払っていなかった会社でのことです
賃金の計算のために毎月の出勤表を従業員が出すことになっています
悪しき慣習からか、たくさんの残業をしているにもかかわらず、
その出勤表には残業が一切書かれないままここまできたのですが、
今月、一人の従業員が残業時間を全て記入して提出してきたようです
 
会社の人は大慌てです
というのも、残業管理を全くしてこなかった会社にとっては、
どう対応しても有効な手段にはならないのです
 
選択肢1:しぶしぶ残業代を払う
会社の経費としては痛い決断
支払うことで納得すればいいですが、当然来月以降も残業時間を出勤表に書いてくるでしょう
その度に払うはめになりそうです
もっと恐ろしいのは、他の従業員までもが残業を書いてくるかもしれません
全従業員に残業代を払うはめに・・・
このコストアップは会社にとって致命的な打撃です
 
選択肢2:払わない
今まで払ってなかったんだから・・・とか、
うちは残業代はなしでやってもらってる・・・とか、
この業界はそれが当たり前・・・とか、
そんなことを言って払わないと、
あー恐ろしや
その従業員は労働基準監督署に駆け込むかもしれません
そしたらどうなるか?
監督署は、全従業員の過去2年分の残業を調査し、
払ってない分を全員に払えと勧告するでしょう
だって法律に違反してるんですから
その額は、下手をすれば〜千万単位
とても右から左へ出せる金額ではありません
会社が潰れます
それでも従業員の言い分の方が通ります
 
選択肢3:じゃあどうすればいいんだ・・・
私は従業員の請求に応じるべきだと思います
ただし、これを全員の分、毎月の分、と波及して認めることはできません
だって会社が潰れたら、従業員は残業代どころではなくなるから
 
ある程度の出費で一番怖いリスクを防ぐようにするしかありません
従業員からの行動があった時点で、会社は無傷では乗り切れない状況です
 
この従業員の方と話し合いをして、会社の状況や、配慮を説明し、
なんとか妥協ラインを作ることです
納得してもらえれば、それが一番です
 
問題は、残業管理(そもそも労働時間の管理)を疎かにしていたことですから、
この後に早急に体制を整える必要があります
これをしない限り、この問題は何度でもおきます
そしてリスクはどんどん高まります
具体的には、残業を申告制、許可制にすることや、リミットタイムを設けて一斉帰社をさせることや、評価制度を利用して、管理職には部署の残業を少なくすることを評価に加え、従業員には残業を評価しないという方法をとること、などが考えられます
 
この対策を講じることの一番の目的は、残業ができなくなることで所定労働時間の業務の効率アップをはかる必要性に気付き、みんなで業務の見直しを行う方向付けです
管理者と従業員が協力して時間内に集中して仕事をする風土を作りましょう
このけじめを会社の当たり前にすることが目的です