火傷した

今日突然火傷を負った
箇所は右手の人差し指をメインに中指も少し
特に人差し指がチリチリと痛み続けている

俺に火傷を負わせた張本人は冷蔵庫
もともと捨てる予定であったコイツ(冷蔵庫Aとする)だが、家電リサイクルの対象ということから、廃棄料金が激しく高い
6000円以上だ
これを回避しようとサ館に運ぼうとしたのがまず間違いだった

今日はコイツのほかにも大型ゴミを出す日であり、連れに手伝ってもらいもう一つの冷蔵庫(冷蔵庫Bとする)、洗濯機、乾燥機を一階まで運んだ
かなり苦労したが順調にやっつけた
ここまでで家には冷蔵庫Aのみが残ったわけだ
出したゴミは明日リサイクルセンターが回収しにくるし、冷蔵庫Aは後輩が出してくれる車でサ館に運べる
計算どおりだった

ところがである!

家に帰ったとき、冷蔵庫Aから大量の水が流れ出ていた
びっくりして原因を調べると、冷蔵室内にある冷却装置の周りにガッツリと氷がくっついており、電源を切ったためにそれが溶けてきていたのだ
ふいてもふいても水が落ちてくるので、とりあえず溶けるまで浴室に非難させた

2時間後、様子を見に行くが氷はまだ大きく残っている
明日までにこれを溶かしきらねば、
1:後輩の車が水浸しになる
2:サ館の部室が水浸しになる

なんとかして溶かそうとあらゆる手段に踏み切った
まず温度を上げることが重要と考え、ボウルにポットの熱湯を入れ冷蔵庫の氷の下に置いてみた
湯気で溶かすのだ
効果はあるが、熱湯もすぐに冷めてしまうので明日までには溶かすことができなさそうだ

それにプラスして、ドライヤーを持ち出した
熱風攻撃だ
ドライヤーをかなり氷に近づけ、熱風を送り続けた
しかし、相当な時間粘ったがとても明日までには無理そうだ

妙案が浮かんだ
この氷は大きな一塊になっているからなかなか溶けない、ということは氷を砕き、そしてさらに溶かせば間に合うのでは!
ハンマーかキリが欲しいところだったが、あいにく家にはなかった
ハサミで代用した
とがった部分で必死に氷を突く
雪祭りはもう終わったのに!、泣きそうになりながら削っていった
しかし、これでも破壊できない
よ〜く考えると、この氷の塊はものすごい量の水が固まっているみたいで、8リットルはあると思われる

俺の力では敵わず、再びボウルにお湯を入れてチマチマ溶かしていくしか手はなかった
俺も寝なければならないから、放置するにはこれしかなかった
熱湯の湯気をより氷に近づけようとしたそのとき、ボールがひっくり返って右手に熱湯が降り注いだ

熱さや痛みよりも、なんだかひどくに落ち込んだ
すぐに冷水で冷やした
しかし、だいぶ熱いお湯だったので、完全に火傷の痛みが残っている

俺がこれだけ手も足も出ず、手傷まで負わされたのはコイツが初めてだ
冷蔵庫Aめ・・・・・

今できる最善手を考えた
俺が今できることは、冷蔵庫Aを他の大型ゴミとともに闇に葬ることだけだ
しかしコイツは重過ぎる
連れはもう帰宅している
一人で一階まで運ぶのに俺の腰が耐え切れるか?
自らの腰をかけた、冷蔵庫Aとの第2ラウンドが始まった

2階までは何とか運ぶことができた
腰が少しおかしい
2階と1階の間の踊り場に着く頃、腰が悲鳴をあげた
「ぎゃあああああ」
しかし、俺しかいないのだ
俺がやるしかないのだ
コイツは俺に火傷を負わせたのだ
今こそ復讐のとき

俺は限界を超え、憎悪の力によって一気に一階まで奴を運んだ
玄関には大型ゴミたちが顔をそろえている
「あそこがキサマの墓場だ」
そう言いながら冷蔵庫Aを葬った

こんなことなら初めから捨てればよかったと、激しい後悔の念に襲われた
最初から捨てれば火傷もしなかったし、一人で運ばなくて腰も痛まずにすんだ


今までで最強の敵、冷蔵庫A
俺以外にはやられるんじゃないぞ!
キサマを倒すのはこの俺だ!